半導体大手の米インテルが17日に発表した4~6月期の決算(PDF書類)は、純利益が1年前に比べ4.3%減の28億2700万ドルとなり、売上高は135億100万ドルと同3.6%増にとどまった。

売上高の伸びは低水準、ウルトラブックの効果表れず

インテル、第4四半期の業績見通しを下方修正 タイ洪水で

カリフォルニア州サンタクララにあるインテルの本社〔AFPBB News

 前期に続く減益決算だ。また同社の昨年1年間の売上高の前年比伸び率を見てみると概ね20~30%で推移しており、年間売上高の伸び率も24%だった。

 これが今年に入ると、1~3月はほぼ横ばいの0.5%、当期(4~6月)も3.6%と、低成長が続いている。

 同社はその理由として「マクロ経済環境の影響で需要が鈍化している」と説明しているが、アナリストらは米アップルの「アイパッド(iPad)」などのタブレット端末の普及で、消費者のパソコン購入が低迷していると見ている。

 世界のパソコンの8割にインテル製プロセッサーが搭載されているという状況で、パソコン需要の低迷は同社にとって死活問題。

 そうした状況を打開しようとインテルは昨年1月から同社製プロセッサーを搭載する低消費電力、薄型・軽量ノートパソコンの設計構想「ウルトラブック(Ultrabook)」を打ち出し、大規模なプロモーションを展開したり、パソコンメーカーに働きかけたりしている。

 しかし、ウルトラブックはまだ本格普及には至っていないという状況だ。十分な低価格化が実現していないことに加え、欧州を中心にした需要の低迷がその理由とされている。

 また米マイクロソフトが今年10月に次期基本ソフト(OS)「ウィンドウズ8」をリリースする予定であることから買い控えも起こっているようだ。

 インテルのポール・オッテリーニ社長兼最高経営責任者(CEO)もこの状況を把握しているようで、決算発表の資料で「7~9月期の成長率は我々の事前予想よりも緩やかになる」と予測している。