米アップルの新しい「アイパッド(iPad)」がいよいよ中国本土でも発売されることになったと同社が発表した。この7月20日から、北京と上海にある直営店「アップルストア」と認定小売店の店頭、そしてオンラインストアで販売を始める。

中国で立ち上げが遅れた新iPad

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中国の北京でアップル製品を試す顧客〔AFPBB News

 この新アイパッドとは、「アイパッド2」の後継となる第3世代機で、高精細「レティナ(Retina)」ディスプレイを搭載するモデルだ。

 今年3月16日に米国や日本、香港を含む12の国、地域で販売を開始した後、同月下旬にはイタリア、スペイン、オランダ、メキシコなど24カ国でも販売を開始。4月には韓国、インド、マレーシア、タイ、ベネズエラなどにも拡大し、現在は世界約60の国、地域で販売している。

 もちろんアップルはこれまで中国でもアイパッドを発売してきた。しかし、この第3世代モデルについては同国での立ち上げが遅れていた。

 米ウォールストリート・ジャーナルの記事を見ると、その間にアイパッドの商標権を巡る係争があったり、通信機器としての認可が下りるのが遅れたことが理由のようにも思われるが、アップルは具体的なことを明らかにしておらず真相は定かではない。

iPadはアップルで最も成長が速い製品

 ただ、いずれにしてもこれでアップルの業績は今後さらに伸びることになり、投資家は大いに期待していると報じられている。

 米ブルームバーグによると、アップルにとって中国は米国に次ぐ2番目に大きな市場。今年1~3月期の同国における売上高は1年前から3倍以上の79億ドルとなり、アップルの同期間の全売上高391億8600万ドルの2割を占めた。

 一方でアイパッドはアップル製品の中で「アイフォーン(iPhone)」に次いで売上金額の多い製品。1~3月期の業績(PDF書類)を見ると、アイフォーンが226億9000万ドルで、全売上高の約58%を占めている。