マット安川 今回は、JBpressの川嶋諭編集長をスタジオにお迎えして、リスナーからの質問に答えていただいたほか、アメリカ取材中の私との生電話などをお送りしました。

ビジョンなき民主党。官僚の言いなりで自民党政権時代よりも悪化

JBpress編集長・川嶋 諭(かわしま・さとし)(撮影:前田せいめい、以下同)

川嶋 民主党はビジョンがなさすぎます。日本をどういうふうに変えていくのか、10年後の日本をどうしたいのか、本気で考えているとは思えません。今回の消費税増税も、ただ目の前のこと、おカネが足りないから税金を上げるというだけの話です。

 私は、民主党のマニフェストにはいいことがたくさん書いてあったと思います。しかし、やるだけの力がなかったということです。

 パーっと打ち上げ花火を上げたんだけれども、できなくなってきたら、あとは官僚の言うがままになってしまった。自民党政権よりも悪くなった感じです。官僚に対する歯止めが利かなくなったから、すべて言いなり。

 官僚はビジョンを示すわけではないから、ビジョンなきままにやりたい放題です。民主党はもう少し腰を据えて、自分たちが何をやるべきかを考えてほしいですね。

 例えば、日本の現在の1人当たりGDP(国内総生産)は約4万ドルですけど、これを10万ドルにするんだ、いまより2倍以上にするんだという目標を掲げる。

 それほどの成長はできるはずがないと言われるかもしれませんが、私はそんなことはないと思います。そのための改革なり産業育成を本気でやるべきなのに、自分たちは何もできないから、増税しますと。

 つまり何もやっていないわけです。改革を放棄しているとしか言いようがない。日本はいま新しい成長産業が必要なのに、そういう芽もつくらず、おカネが足りないから税金を上げると。

 その消費税についても、ヨーロッパでは食品には消費税がかからないし、アメリカのニューヨーク州では衣料品にはかかりません。

 欧米諸国ではそういう細かいことを決めた上で消費税を導入しているわけですが、日本はそういうことは決めずに増税へ突っ走っている。国民のことを考えているんじゃなくて、自分たちがバラまく財源のための増税だとしか考えられません。