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フェイスブック経済圏成立の鍵を握る「決済」システム

ソーシャル化する社会が世界を大きく変え始めた(10)

2012.06.21(木) 小川 和也
    http://goo.gl/YGSX0
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 9億人超のユーザーを抱えるようになったフェイスブックは、しばしば大国の一角のように扱われる。

 世界の人口(世界人口白書2011年版・PDF)で1位の中国が約13億4760万人、2位のインドが約12億4150万人であることを物差しとすると、それももっともな視点だ。

 9億人の住人(ユーザー)がいるとすれば3位に相当し、フェイスブックが本社を置く米国が約3億1310万人で4位となる。

 大国規模の住人(ユーザー)が存在するともなると、そこに経済圏のようなものが生まれるのではないかという議論と期待が湧いてくる。それがまさに、「フェイスブック経済圏」という概念だ。

IPO後に噴出した不安。「フェイスブック経済圏」はどうなる

 「フェイスブック経済圏」は、フェイスブック上における企業の広報・マーケティング活用、連携するインターネットサービスやソフトウエアとハードウエア開発、ゲームのアプリケーション展開などの経済活動により形成される。

フェイスブックを投資家らが集団提訴、IPO情報非開示で損失

6月7日、ナスダックはフェイスブック上場初日のシステム障害を補償することを発表〔AFPBB News

 しかしながら、現状のフェイスブックの収益の大部分は広告収入によるものであり、この経済圏の威力を具体的に示すところにまで及んでいない。

 そこに募る不安感は、先般IPOしたことでよりいっそう助長されることとなった。いままでの広告依存のモデルでは、初値時点で9兆円を超える時価総額を維持し、さらに成長性を担保することが困難であろうということを、株主は見逃してくれない。

 そこに取引所のシステム障害、主幹事証券会社の情報開示を巡る問題なども絡み、株価は上場から1週間で初値の42.05ドルから24%の大幅下落、軟調局面が続いている。

 それに対して、フェイスブックは「フェイスブック経済圏」のビジョンを早急に示し、畳み込むように実現して行くことが重要だ。

 経済圏の構成バリエーションは多岐に渡るが、どのように構成したとしても鍵となるのは「決済」にあると僕は考えている。

 この決済の仕組み作りにはいろいろな可能性があると見ているが、現状では「フェイスブック・ペイメント」がひとまずの基盤となりそうだ。

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Kazuya Ogawa

アントレプレナー / デジタルマーケティングディレクター / 著述家
西武文理大学特命教授

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慶應義塾大学法学部卒業後、大手損害保険会社勤務を経て、2004年グランドデザイン&カンパニー株式会社を創業、代表取締役社長に就任。数々のITベンチャービジネスや、デジタルマーケティングディレクターとして大手企業や行政、アーティスト等の先端的デジタルマーケティング事例を数多くつくり続けている。

ビジネスだけではなく、デジタルと人間や社会の関係の考察と言論活動を行っており、著書、寄稿、講演、メディア出演多数。主な著書に、「デジタルは人間を奪うのか」(講談社現代新書)、日本で初めての概念をテーマとした「ソーシャルメディアマーケティング」(共著・ソフトバンククリエイティブ)、「ソーシャルメディア維新」(共著・毎日コミュニケーションズ)、「Facebookマーケティング」(共著・ソフトバンククリエイティブ)、「ソーシャルブランディング」(共著・インプレスジャパン) など。

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