冒頭から質問で恐縮であるが、「ヨーロッパでインターネットユーザーが最も多いのはどの国でしょう?」。 

 正解はロシア。調査会社コムスコア社の調査結果(2011年9月)によると、ヨーロッパ各国のインターネットユーザー数はドイツ5010万人、フランス4230万人、英国3720万人、イタリア2370万人である。

リーマン・ショックなんのその、急成長するロシアのネットビジネス

プーチン首相が司令官のPCゲーム、あの美人スパイ似の赤毛兵士も

ロシアのPC用ゲーム「ボイヌシュカ(Voinushka)」。プーチン大統領とあの美人スパイも登場〔AFPBB News

 そしてロシアは5080万人、意外なことにヨーロッパ最大のインターネット大国である。

 もっとも、ロシアの人口(1億3800万人、2012年7月米CIA推計)を考えれば、ユーザーの絶対数が最大となることに大きな意味はなく、ロシアにおけるインターネットビジネスが拡大する過程での通過点に過ぎない。

 ロシアにおいては2008年リーマン・ショック後でもインターネットビジネスは年率25~30%の成長を続けている。

 ロシアを代表するインターネット企業ヤンデックス(Yandex、インターネット検索、米ナスダック上場)の時価総額は30億ドルとヨーロッパのインターネット企業としてはすでにナンバーワンである。

 最近、ロシアのインターネットビジネスについて、日本の関連企業の方から様々な質問を受ける機会が増えている。

 現地のインターネット関連ビジネス向けメディア the Runet が今春発表した調査結果から、その市場を概観してみよう。

 まず、ロシアのインターネット人口について、同社はTNSやWCIOMといった大手組織が公表した調査結果にロシアの人口構成・地域分布といった特殊要因の考察を加え、6343万人という数字を算出した。

 このうちマンスリーユーザー(月に数回は利用する)が5780万人、デイリーユーザー(ほぼ毎日利用する)が4430万人である。