韓国サムスン電子は4日、スマートフォン旗艦モデルの新製品「Galaxy(ギャラクシー)S III」を6月中に米国の大手キャリア5社を通じて発売すると発表した

 ベライゾン・ワイヤレス、AT&T、スプリント・ネクステル、TモバイルUSAと、加入者ベースで米国上位4社の通信事業者に加え、第6位のUSセルラーが同端末の通信サービスを始める。

大手キャリア5社で「Galaxy S III」に統一

サムスン新型スマホ「ギャラクシーS3」、大型画面や音声コントロールが特徴

サムスンは「ギャラクシーS III」で一気に攻勢をかける〔AFPBB News

 高機能端末市場で競合する米アップルの「アイフォーン(iPhone)」は上位3社に加え、8位のCスパイア・ワイヤレスと、複数の地域通信事業者がサービスを提供しているが、サムスンの新端末はそれを上回る規模で展開することになる。

 またサムスンは今回、初めて複数の米国通信事業者でスマートフォンのブランド名を統一する。これは意外に思われるが、米国の通信事業者はこれまで自らが主導権を握って端末のブランド名を決めていた。

 例えばサムスンのギャラクシーSシリーズは、ベライゾン・ワイヤレスでは「サムスン・ファシネイト(Fascinate)」、AT&Tでは「サムスン・キャプティベイト(Captivate)」だった。このほかにも、台湾HTC製の「エボ(Evo)」はスプリント・ネクステルの旗艦モデルの名称として大々的に宣伝されている。

 しかし、米ウォールストリート・ジャーナルは、他社製品との差異化を図る目的で通信事業者が端末のブランドに積極的に関与するといったマーケティングスタイルは、アップルのアイフォーンによって崩され、通信事業者の影響力は次第に弱まっていると伝えている。

ギャラクシーシリーズ、世界で好調に推移

 その背景は好調な端末の販売実績にあるようだ。例えばギャラクシーの前モデル「S II」が発売されたのは昨年の4月下旬だが、同モデルはその3カ月後の7月に全世界で500万台を売り上げ、10カ月後の今年2月は2000万台を突破した。

 先頃市場調査会社の米ガートナーまとめた1~3月期の販売統計を見ても、サムスンは同社全体で3800万台のスマートフォンを販売しており、アップルの3312万台を上回っている。