カナダRIM(リサーチ・イン・モーション)のトールステン・ハインズ最高経営責任者(CEO)兼社長は29日に声明を出し、3~5月期の決算が営業損失になるという見通しを明らかにした。

 スマートフォン市場で価格競争が進んでおり、同社の「ブラックベリー(BlackBerry)」の販売が落ち込んでいるのが原因だ。

リストラ策で10億ドル削減へ

ブラックベリー、通信障害解決もユーザーの怒り収まらず

販売が落ち込んでいるブラックベリー〔AFPBB News

 これに伴い同社は人員削減を含む大規模なコスト削減を計画しており、来年2月末までに10億ドルの削減を目指している。

 併せて同氏は、前期の決算発表後にカナダRBCキャピタル・マーケッツなどの投資銀行をアドバイザーとして採用したことも明らかにした。

 同社では長らくマイク・ラザリディス氏とジム・バルシリー氏による共同CEO体制が続いていたが、今年1月に両氏が経営から退き、ハインズ新CEOのもと経営改革が進められている。

 新たなアドバイザーは、他社企業との提携や、ソフトウエアのライセンス供与、代替ビジネスモデルなどの施策を通して行う財務戦略に助言するというもので、それには、会社資産の一部売却、あるいは会社全体の身売りなども検討対象になっていると見られている。

わずか3年でシェア激減

 米NPDグループの調査によると、ブラックベリーは、2009年に米国市場で44%のシェアを持っていたが、これが2011年には10%に低下している。米IDCの最新の調査でも、今年1~3月期のブラックベリーの世界出荷台数は970万台と、1年前から29.7%減少した。

 同社が3月末に発表した12~2月期の決算は、売上高が1年前から25%減の42億ドル、最終損益は1億2500万ドルの赤字、営業損失も1億4200万ドルを計上するなど、苦しい状況が続いている。