ブラックベリー、通信障害解決もユーザーの怒り収まらず

RIMの多機能端末「ブラックベリー」〔AFPBB News

 米アップルの「アイフォーン(iPhone)」や「アイパッド(iPad)」、米グーグルのモバイル基本ソフト(OS)「アンドロイド(Android)」の台頭で、苦戦を強いられているカナダRIM(リサーチ・イン・、オーション)は22日、経営トップの交代を発表した。

 同社ではこれまでマイク・ラザリディス氏とジム・バルシリー氏が共同最高経営責任者(CEO)と共同会長を務めてきたが、両氏は同日付でいずれの役職も退いた。

 代わって新CEOおよび社長職に就くのは、同社に2人いる最高執行責任者(COO)の1人、トールステン・ハインズ氏(54)。

 また、カナダロイヤル銀行でCOOやトロント証券取引所でCEOを務めた経歴を持つバーバラ・スタイミエスト氏が取締役会会長に任命された。

1年間で株価が75%以上下落

 RIMは1984年にラザリディス氏が幼なじみの友人と共同設立した後、1992年にバルシリー氏が加わり、これまの20年間共同CEO体制で運営してきた。

 同社はいち早くスマートフォンを開発したメーカーで、「ブラックベリー(BlackBerry)」は草分け的な存在として米国を中心に市場を席巻していたが、2007年にアイフォーンが登場して以来、シェアの減少に歯止めがかからない状態だ。

 市場調査会社の英カナリスによると、2年前に50%近くあったブラックベリーのシェアは昨年7~9月期には9%にまで落ち込んでいる。また同社の株価は昨年1年間で75%以上も下落した。

 こうした状況を打開しようと、RIMは新製品の開発に力を注いだが、市場投入は遅々として進まず、株主らは共同経営者体制という組織構造が迅速な意思決定を阻害しているとし、抜本的な経営改革や、経営陣の交代、あるいは身売りを求めていた。

新CEOはシーメンス出身

 新たにCEOに就任したトールステン・ハインズ氏は、ドイツ総合電機大手シーメンスの幹部だった人物で、2007年にRIMに加わった。RIMでハードウエアエンジニア担当上級副社長を務めた後、昨年、製品販売担当のCOOに就任したばかりだ。