米グーグル傘下の動画共有サイト「ユーチューブ(YouTube)」がサービス開始から5周年を迎え、グーグルは同サービスに関する様々な “トリビア" を発表した。

ユーチューブ創業者、大量のグーグル株を取得 06年の買収時

誕生から今年で5年を迎えた動画共有サイト「ユーチューブ」〔AFPBB News

 それによると、同サービスの1日当たりの視聴回数が20億回を突破した。これは米国の3大ネットワーク(ABC、CBS、NBC)のゴールデンタイムの視聴者数の2倍近い数字で、その70%は米国外の視聴者が占めているという。

 また、ユーチューブには毎分24時間分の動画が投稿され、1日当たり46年分の動画が見られている。1人がこれまで投稿されたすべての動画を見るとなると1700年かかるという。

 一方でユーザーの1日当たりの平均視聴時間は15分。これは米国人の1日当たりのテレビ視聴時間、5時間と大きな開きがある。ユーチューブは今後もサービスを拡充し、より多くの時間を同サービスで過ごしてもらいたいと意気込みを示している。

原型はガレージで開発

YouTubeがビデオ認証の新技術を試験導入

ユーチューブ創始者のスティーブ・チェン氏(左)とチャド・ハーリー氏(右)〔AFPBB News

 ユーチューブが誕生したのは2005年。電子決済サービスを手がける米ペイパルの当初からの社員だった2人が、この年の2月に同名の会社を設立した。現在、最高経営責任者(CEO)を務めるチャド・ハーリー氏と最高技術責任者(CTO)を務めるスティーブ・チェン氏が、ある夕食パーティーに集まった仲間と数本のビデオを共有したいと考えたのがきっかけだったという。

 動画ファイルは容量が大きいため電子メールでは送信できず、ネットにアップロードするのも困難だ。そこで2人は、より簡単な方法はないかと自宅ガレージで開発に着手した。

 やがてユーチューブの原型が誕生し、3カ月後の5月にベータ版のサービスを開始した。当初の1日当たりの再生回数は1000万回程度だったが、ベータ開始からほぼ1年、正式サービス開始から半年で1億回に達した。

 グーグルがユーチューブを買収したのは、その数カ月後の2006年10月。買収額は実に16億5000万ドル。グーグルの傘下に入った後は違法コンテンツの排除に努め、ユーザー数も順調に伸ばした。

 昨年の10月には1日の視聴回数が10億を突破。今やペットや子どもの動画のほか、官公庁や政治家、アーティスト、映画などのコンテンツがそろっている。エリザベス女王からローマ法王、オバマ大統領まで登場するサイトになったと英BBCニュースは伝えている。