米国のインターネット広告業界団体インタラクティブ・アドバタイジング・ビューロー(IAB)と米プライスウォーターハウスクーパース(PwC)が18日までにまとめた市場調査(PDF書類)によると、昨年1年間(2011年)の同国におけるインターネット広告の売上高は317億4000万ドルとなり、ネットはついにケーブルテレビを上回り、テレビ(全国・地方放送)に次ぐ第2位の広告媒体になった。
第4四半期も過去最高を更新
317億4000万ドルという金額はその前の年に比べて21.9%増というもので、過去最高額だ。
また昨年第4四半期(10~12月期)の売上高も1年前の同じ時期から20.4%増の89億7000万ドルとなっており、こちらも過去最高を更新した。
10年前にはまだ60億ドルという規模だった米国のインターネット広告はその後順調に伸び続け、2007年にはラジオ広告を追い抜いている。一方でかつて第1位の媒体だった新聞は急速に落ち込み、2010年にネットに抜かれた。
ケーブルテレビもこれまで堅調に推移していたが、この数年でネットの勢いが増し、ついに追い抜かれたというわけだ。またテレビ広告は依然トップではあるが、5~6年前から緩やかに低下しており、今後このパターンで推移すればやがて2位に転落しそうだ。
依然、検索広告がトップ
昨年の米広告市場の金額を具体的に見ると、テレビ広告が385億ドルで最大。ネット広告の317億ドルはこれに次ぐ規模で、この後、ケーブルテレビ(300億ドル)、新聞(207億ドル)、雑誌(180億ドル)、ラジオ(152億ドル)と続いた。
一方、昨年の売上高を広告の形態別に見てみると、依然として最も売り上げ規模が大きいのは米グーグルが市場を支配している「検索広告」で、その金額は148億ドル。検索広告の市場全体に占める割合は46.5%とほぼ半分に上っている。