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駄作には残酷なソーシャルメディア時代

ソーシャル化する社会が世界を大きく変え始めた(5)

2012.04.12(木) 小川 和也
    http://goo.gl/wDSeV
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 「どんなマーケティングでも、駄作をヒットさせることはできない」

 スティーブ・ジョブズが生前残した数々の名言の中でも、僕が特に肝に銘じている言葉だ。

 ここ2回にわたり、ソーシャルメディアを活用したマーケティングにおける課題について触れてきた。触れるべき要素は多岐にわたると認識しているが、特に錯誤に陥りがちな「目的」と「手法」についてフォーカスして述べた。

故ジョブズ氏は世界で最低の経営者? 伝記著者が語る

故スティーブ・ジョブズ氏の写真が印刷されたiPhone4用のカバー〔AFPBB News

 そしてもう1つ、冒頭のジョブズの言葉が示すところの「中身」こそが、何と言っても肝心要であることをここに加えておきたい。

 その中身とは、企業であれば商品やサービス、情報領域であればコンテンツ、個人であればそのパーソナリティなどが該当するであろう。

 どのようなマーケティング活動を行うにしてもそれは共通原則であり、特にソーシャルメディアを活用する場合はそれがより色濃く作用しやすいと考えている。

 なぜならば、ソーシャルメディアの中においては「中身の良し悪しについてごまかしが通じない」という側面が強いからだ。

 SNSなどのソーシャルメディアは、個々人が情報を発信し、人と人とのつながりを介してその情報をシェアできるという特性を保有している。そしてその特性が、特定の商品やサービス、コンテンツなどの評価づけを左右する。

 目に触れた商品宣伝やサービスの体験に対する個々人の感想が、ご近所話的な特定範囲内の共有にとどまり、かつインターネット、特にソーシャルメディアの情報気流に乗らないものに関しては、その伝搬力はある程度計り知ることができる。

 それに対し、個々人に特定のメディアを介した発言権が与えられたソーシャルメディアの中においては、概して商品やサービス、コンテンツに関する率直な見解が伝搬しやすい。

 特にフェイスブック時代のソーシャルメディアは実名公開傾向が強まっており、顔の見える友人や知人を介することで、その伝搬力に拍車がかかっている。

 それがマーケティングに活用する上での魅力であり、その反面としての怖さでもある。企業がそこに足を踏み入れる際の懸念材料としてしばしば挙げられるのが、後者の面、すなわち「炎上リスク」である。

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Kazuya Ogawa

アントレプレナー / デジタルマーケティングディレクター / 著述家
西武文理大学特命教授

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慶應義塾大学法学部卒業後、大手損害保険会社勤務を経て、2004年グランドデザイン&カンパニー株式会社を創業、代表取締役社長に就任。数々のITベンチャービジネスや、デジタルマーケティングディレクターとして大手企業や行政、アーティスト等の先端的デジタルマーケティング事例を数多くつくり続けている。

ビジネスだけではなく、デジタルと人間や社会の関係の考察と言論活動を行っており、著書、寄稿、講演、メディア出演多数。主な著書に、「デジタルは人間を奪うのか」(講談社現代新書)、日本で初めての概念をテーマとした「ソーシャルメディアマーケティング」(共著・ソフトバンククリエイティブ)、「ソーシャルメディア維新」(共著・毎日コミュニケーションズ)、「Facebookマーケティング」(共著・ソフトバンククリエイティブ)、「ソーシャルブランディング」(共著・インプレスジャパン) など。

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