世の中には一般消費者向けのマーケティング関連の書籍や情報がたくさん溢れているが、ビジネスユーザー向けの情報はなかなかないのが現状である。

 Webを用いたマーケティング手法も一般消費者向けのものが多い。だが、業務用ソフトウエアを開発・販売するソフトウエアベンダー(当社もその1つ)には、ビジネスユーザー向けにWebマーケティングを展開しているところが少なくない。

 もちろん、IT業界以外の業種でも使えるWebマーケティング手法は多々ある。今回はWebマーケティングの中でも、SNSやキーワード広告といった一般的な手法以外の内容について考えてみたい。

仕事中にイヤホンを付けてYouTubeを見られるか

 先日、私が所属する「MIJS」(Made In Japan Software Consortium)という団体の主催で「マーケティングソリューション活用事例セミナー」という催しがあった。団体内の勉強会というよりは、外部のユーザーに対する情報発信がメインのオープンセミナーなのだが、何か自社で活用できる方法やサービスがないかと思い、参加してみた。

 セミナーで紹介されたのは、以下のような手法である。

・ツイッターやメール配信を活用した販促
・FAXダイレクトメールやWebサイトと連動した、リードナーチャリング(見込み客育成)の考えを取り入れたBtoBマーケティング
・効率的にWebを管理するためのCMS(コンテンツマネジメントシステム)
・動画による自社製品紹介、など

 様々な製品やサービスの話を一気に聞けたという点で、マーケティング担当者にとっては大いに参考になる内容であったに違いない。

 例えば、メール配信のクリックカウントを計測するのは一般的だが、「クリックした人に対して『メールをご覧になられましたよね』という露骨なアクションを取るのは嫌われますよ」という基本的な話から、リストやSNSを使った販促時にどうやって個人のパーミッションを取るか、といった話も繰り広げられた。