米アップルがオーストラリアでトラブルに遭っているようだ。同国の公正取引委員会に当たる競争消費者委員会(ACCC)が、タブレット端末「アイパッド(iPad)」の販売でアップルが消費者の誤解を招く宣伝を行ったとして、メルボルンの連邦裁判所に提訴した。

豪州では高速通信サービスに対応せず

新型iPad、虚偽広告の疑いで返品受け付けへ オーストラリア

米ニューヨークでアップルの新型iPadを購入する客〔AFPBB News

 複数の海外メディアによると、アップルはこれを受け、払い戻しを行うと発表したが、事態はそれだけでは済まない様相を呈してきた。

 当局は、正確な製品情報を消費者が認識できるよう早急な対策が必要としており、払い戻しのほか、販売差し止め、訂正広告、罰金なども求めているからだ。

 当局が問題視しているのは、新型アイパッドのうち、無線LAN(Wi-Fi)と携帯電話会社のデータ通信サービスに両対応する「Wi-Fi+4Gモデル」。

 このモデルは高速なLTE回線に対応し、名称に次世代通信技術を意味する「4G(第4世代)」という言葉を使っているが、オーストラリアで唯一LTEサービスを提供しているテルストラの周波数帯には対応していない。

 つまりオーストラリアでは、今のところアイパッドでLTEは利用できない。競争消費者委員会は、アップルの宣伝はオーストラリアでアイパッドがあたかもLTEに対応するかのように表示しており、消費者に誤解を与えていると指摘している。

ソフトバンクもLTEに未対応

 日本でも同じことが言えるのかもしれない。日本ではソフトバンクモバイルが新型アイパッドを取り扱っており、そのモデルは同様にLTE回線にも対応するが、ソフトバンクで利用できるのは従来の3G(第3世代)回線のみだ。

 しかしアップルのサイトではLTE対応をアピールするためか、「Wi-Fi+4G」と表記している。