先頃、米証券取引委員会(SEC)に新規株式公開(IPO)を申請したソーシャル・ネットワーキング・サービス(SNS)の米フェイスブック――。
IPOによって時価総額が1000億ドルになると見られており、大きな注目を集めているが、その同社のユーザー数を巡って今ちょっとした疑問が沸き上がっている。
サイトに訪問しなくてもアクティブユーザーに
フェイスブックが目論見書で明らかにした、“アクティブユーザー”の数は8億4500万人だった。これは1年前から39%増えており、その圧倒的な数と急成長ぶりに皆が驚いた。
ところが、目論見書にあるこのアクティブユーザーの定義には、「過去30日以内にフェイスブックサイトを訪れた人」に加え、「提携する他社サイトを介してフェイスブックの友人と交流したり、コンテンツを共有したりした人」とある。
つまり1カ月以内に同社サイトを訪れていなくてもアクティブユーザーに含まれ、その合計が8億4500万人になったと同社は報告していたのだ。
これはどういうことかと言うと、例えばフェイスブックには、ほかの人のコンテンツに賛同の気持ちを表す「いいね!(Like)」や、情報共有のための「シェア」といった機能がある。
この機能を備えるボタンは様々なウエブサイトに設置されているが、そうしたサイトでボタンを1度でも押せば、たとえフェイスブックを訪れなくてもその人はその月のアクティブユーザーになる。
米ニューヨーク・タイムズは、「フェイスブックに訪れなければ、そこで広告を見ることもなく、マーケティングの対象にもならない。フェイスブックの言う“活発”(アクティブ)ユーザーとは、実際には“関与”しているユーザーのことで、サイト訪問者数とは別物」と報じている。