米国の市場調査会社NPDグループがまとめた最新の調査によると、消費者が日常的に写真やビデオを撮影する機器は、従来のデジタルカメラやデジタルビデオカメラから、スマートフォンをはじめとする携帯電話端末へと急速に移りつつある。
スマホカメラの利用が急増中
同社が、今年11月11~21日の期間、13歳以上の米国人を対象にインターネットでアンケート調査を行ったところ、撮影機器をデジカメやビデオカメラからモバイル端末に替えたと答えた人は半数超に上った。
また昨年と今年に撮影された写真について割合の推移を調べてみると、米アップルの「アイフォーン(iPhone)」などのスマートフォンで撮影された写真の割合は昨年の17%から今年は27%に増えている。
一方でデジタルカメラで撮影された写真は昨年の52%から44%へと減少している。
これらには、ここ最近急速にスマートフォンのカメラが高機能化し、撮影や編集機能も充実してきたことなどが背景にあると言われている。もっとも、スマートフォンのカメラ機能をデジタルカメラと比較した場合、力不足であることは否めない。
例えば一般的なスマートフォンのカメラには、光学式ズームや、高品質レンズ、高画素CCD素子、マニュアル露出機能などが付いていない。
コンパクトデジカメの販売が減少
しかし米PCワールド誌は、「いつも利用者のポケットの中にあり、手軽にスナップ写真を撮れたり、容易にネットにアップロードして、友人などと共有できたりというスマートフォンならではの特長は、大半の人にとって、機能不足を十分に補うほどの利点がある」と指摘している。
このことは、既にデジタルカメラの市場動向にも表れているようだ。NPDグループの調査によると、2011年1~11月の期間、コンパクトデジタルカメラの販売台数は17%減少しており、販売金額では18%減少した。