中国における米グーグルの検索収入シェアに変化が生じてきたと、米ウォールストリート・ジャーナルが伝えている。グーグルの同国におけるシェアは2006年以来、2四半期を除いて常に拡大を続けてきた。
バイドゥのシェアが大幅拡大
しかしこの1~3月期、同社のシェアは35.6%から30.9%に低下した。これに対し中国検索最大手のバイドゥ(百度)のシェアは58.4%から64%に伸びた。
グーグルは3月、中国からのサイバー攻撃や当局から強要されている検閲を理由に、同国本土で提供していた検索事業から撤退。香港版サービス「Google.com.hk」で中国本土向けの簡体字サービスを開始した。
報復の恐れがあったため、同社は当局を牽制する目的で自社サービスへのアクセスを監視し、その状況を専用ページで報告した。
3月30日、中国本土からのアクセスが中国側の何らかの原因により一時不能になったと報告したが、その後大きなアクセス障害は報告していない。同社の広報担当者もビジネスは通常通り行われていると話している。
グーグルのシェアはなぜ低下したのか?
ではなぜ、グーグルの検索収入シェアは低下したのだろうか?
記事では、次のような広告主の懸念を伝えている。それによると、中国には国外へのインターネットのアクセスが制限される、いわゆる「万里のファイアウォール」がある。広告主は、こうした状況で香港からサービスが提供されていることに困惑しているという。
また、当局が政治的なコンテンツなどを遮断しているため、アクセスの不安定性さも懸念される。これによりユーザーに煩わしさを感じさせ、利用意向を妨げるのではないかと広告主は心配している。