『ミッション:インポッシブル』最新作のワールドプレミア、ドバイにT.クルーズ

ミッション・インポッシブルの主演トム・クルーズと共演者のポーラ・パットン〔AFPBB News

 クレムリンで大規模な爆破テロ事件が発生。犠牲者も多くを数え、負傷し病院に運ばれた。「I.M.F.」メンバーが容疑者として拘束されている模様。

 モスクワでは、今年1月にも空港でチェチェン独立派武装勢力による自爆事件が発生するなどテロ行為が後を絶たず、先日の総選挙における与党の不正行為に住民の怒りが爆発し大規模な反政府デモもあったばかり。

 ついに、混乱は、本丸クレムリンまで到達したか・・・、と思いきや、実はこれ、12月16日から劇場公開されているトム・クルーズ主演の人気シリーズ最新作『ミッション・インポッシブル ゴースト・プロトコル』(2011)の1シーン。

インポッシブル・ミッション・フォースの略、IMF

 先週からロシアも含め世界中で一斉に公開されており、戦車が街に繰り出すなかソ連が崩壊してから20年で、こんな映画がロシアでも西欧と同時に見られるご時世となった。

 映画は、クルーズ演じる「I.M.F.」メンバーがロシアの警察や事件の黒幕から追われるアクションシーンが大きな売りだが、いくらフィクションとはいえ、IMF職員がそんな事件の容疑者という設定には少々無理があるのでは、と思うことだろう。

クレムリン

 しかし、この「I.M.F.」とは映画のもととなった伝説的テレビシリーズ「スパイ大作戦(Mission Impossible)」でも主人公たちが所属していた「Impossible Mission Force」と呼ばれる組織の略称。

 今回もあの有名な台詞「例によって、君および君のメンバーが殺されても、当局は一切関知しない」と突き放されながらも、不可能と思われるミッション遂行のため、数々の最先端(およびそれを超えた)ハイテク電子機器を使い大活躍している。

 しかるに、現実のIMF、つまり「International Monetary Fund(国際通貨基金)」とロシアの関係の方はと言うと、12月15日には、ユーロ危機救済のため、100億ドル規模の資金をIMFを通じて投じる用意があることをドミトリー・メドベージェフ大統領は表明している。

 ロシアの外貨準備の多くがユーロ建てであることもあり、危機は決して他人事ではないということなのだが、地域でのプレゼンスを高める絶好のチャンスと捉えたからでもあろう。

 ところでこのミッション、米露に核戦争をけしかけようとする陰謀を阻止する、というやや時代錯誤的なもの。