米マイクロソフトの1~3月期決算は、売上高が145億ドルで前年同期から6%増となり、1~3月期としては過去最高を記録した。
純利益は40億1000万ドルで同35%増。昨年(2009年)10月に発売した基本ソフト(OS)「ウィンドウズ7」が引き続き好調で、同OS事業部門の売り上げは前の年の同じ時期に比べ28%増えた。
パソコン市場の回復とともに、企業によるウィンドウズ7の導入が進んでいることが成長エンジンになっていると同社は自信を示すが、同社には唯一赤字続きの事業部門があり、今回の決算でもその状況は変わらなかった。
累計赤字額は100億ドルに
検索サービス「ビング(Bing)」やポータルサイト「MSN」などを手がけるオンラインサービス部門である。同部門の売り上げは5億6600万ドルと、前年に比べ12%成長したが、営業損失は7億1300万ドルとなり、赤字額は前年に比べ73%拡大した。
米国のビジネス情報サイトシリコン・アレー・インサイダーはこの点に注目しており、同部門の営業損益推移グラフを示して指摘している。
これによると、マイクロソフトのオンライン事業は2005年10~12月期の黒字を最後にずっと赤字続き。1998年にまでさかのぼれば、その累計赤字額は100億ドルにも上る。同社のようにネット事業でこんなにも損失を出している企業がほかにあるだろうかと、疑問を投げかけている。
5000万ドル得るためのコストが5000万ドル
マイクロソフトの決算資料を見ると同事業部門では、一般管理費用が1億4500万ドルに拡大している。これには米ヤフーとの検索事業統合に関する “移行費用” が多くを占めているという。