偶然と言うべきか、現在中国に滞在し中国のことばかり書いている筆者自身、幼少期から社会人数年目まで交通至便な繁華街「池袋」の西側、北側に住み、中華街と化した北口を含め、池袋の変遷について子供なりに見てきた。
池袋北口は日本にある中国
サンシャイン60という当時日本一高いビルのある池袋東口へ自転車で抜けるには、薄暗い北口からウイロードというトンネルを通るしかなかった。
幼少期から「薄暗い場所」という印象があったその池袋北口だが、現在は出口を出る前から中国人の話す中国語ばかりが飛び交う。
出口を出て見回せば中国人向けの書店・スーパー・託児所・食堂・パソコンショップ・マッサージ店・美容院など中国人向けサービスの店舗ばかり。
「池袋チャイナタウン」を目指すという話もあるが、日本人はおろか中国人観光客も不在。
池袋は中国で売られている東京のガイドブックには必ずと言っていいほど紹介され、また中国人観光客の多くは池袋南口のホテルメトロポリタンで泊まるものの、どの東京のガイドブックを見ても池袋北口が池袋チャイナタウンだという紹介はない。
群れる中国人は異文化に溶け込みたがらない
池袋中華街は観光地とは無縁の池袋近隣で生活する中国人のための商店街であり、店舗の横には独特な食材の臭いをはじめとした中国の生活臭が流れ、昔ながらの日本人の商店は、郷に入っても郷に従わない中国人商人に冷たい。
現在池袋に限らず、郷に従わない中国人が目立つ結果となってしまった中華街は世界中に数多く存在するようになった。
「中国人は単体だと龍(強い存在)だが、集団になると蛇になる(弱体化する)」とよく言われるように、中国人在住者が少ない札幌や福岡などでは現地に溶け込みながらたくましく生きている。そうした地域では問題はほとんど聞かない。
しかし、集団になると気が緩むのか、中国人コミュニティの貝に閉じこもり、現地の習慣や道徳などどこ吹く風となってしまうようだ。