今週のページビューランキングで第1位になったのは『人材浪費国ニッポン』。エコノミスト誌が、日本企業の女性に対する待遇改善の必要性を説いた記事だ。
1990年まで、日本の生産年齢人口は7対3の比率で子供・高齢者を上回っていた。それが2050年には1対1になる見通しだ。高齢化で弱体化した日本で、企業の労働力不足の解決策となるのは女性の活用である。しかし、現実はどうか。
遅々として進まない日本の女性活用
同記事では、米シンクタンク:センター・フォー・ワークライフ・ポリシーの研究「Off Ramps and On Ramps:Japan」(PDF・英語)や、ゴールドマン・サックスのレポート「ウーマノミクス3.0 待ったなし」(PDF)を引き合いに出して、日本では女性の能力が「嘆かわしいほど生かされていない」と評している。
また、日本企業の職場環境は昔ほど性差別的ではなくなっているものの、紙のリサイクルに対する慎重さほどには、女性の能力を生かすことに気を使っていないと指摘している。
外資系企業では、フレックスタイム制の奨励や産休に入った女性の復帰を支援するプログラムの導入などで、女性が働き続ける環境作りを進めている。それに対し、日本企業ではわずかな例外を除き、なぜか同じことができないでいる。
同記事いわく「ガイジンの方がよっぽど女性に優しい」のだ。
ガイジンにできることが日本人にはできないという点では、オリンパスも同様だ。高山修一新社長は取締役会内部で20年間にわたって会計操作が行われていたことを明らかにした。
しかし、英国人のウッドフォード氏がこの件への疑義を訴えなければ、この不正はさらに長い間、闇に葬られることになったかもしれない。
ページビューランキング第2位だった『オリンパスの恥ずべき偽り』で、フィナンシャル・タイムズ紙は、菊川剛前会長ら責任を問われている取締役・監査役は、「損失を隠し、前任者の対面を汚さないようにするのが義務だと思ったのかもしれない」と皮肉っている。
目の前の円高、長期的な人口減など、日本企業の競争力維持には強い逆風が吹いている。外的要因にどう立ち向かうかも大事だが、これまでの労働慣行や企業風土の不合理さを根本から見直すことが、今ほど必要な時はないのではないだろうか。