最近、当社ステイジアキャピタルの主催する視察ツアーなどでシンガポールにいらっしゃる経営者、富裕層が増えています。
先日お会いした地方の実業家(40代)が大学生の息子さんを連れて、数日間、都市(国)としての将来性や、投資先としてのポテンシャル、事業展開の可能性を検討するため、シンガポールに視察に来られました。
円安に備えてシンガポールに投資分散
その結果として、まずは拠点作りから進めることを決め、市内中心部にシンガポールに設立する会社名義で居住用の住宅を購入することを決定されました。
購入されたのは、シンガポール建国の父リー・クアンユー宅に近接する低層の超高級レジデンスです。
この実業家のご本業は、厳しい日本の経済環境の中でも順調に推移し、今後も安定的に収益は見込まれる段階にあるそうですが、それでも財政を中心とした現在の日本の抱える諸問題を考えると、日本円の資産のみでは不安で仕方がないとおっしゃいます。
「早晩円安に向かう時が来る。その時、中国を中心としたアジアマネーや禿鷹ファンドが、バーゲンセールとばかり日本に本格的に上陸してくるので、その時に備えて自分の会社や事業、資産を守る為には、今の円高のうちに円資産を一定割合外貨で運用しておきたい」という考えに基づき、シンガポールに拠点を作り、シンガポールドルベースの資産を中心にマネーに“出稼ぎ”をさせておこうということのようです。
では、なぜシンガポールなのでしょうか? 大きく言って、2つの理由があります。
(1)現在の強さと今後の成長性
ここに、シンガポールのポテンシャルを表す1つの指標があります。
世界経済フォーラム(WEF)が発表した Global Competitiveness(国際競争力)ランキングで、シンガポールは昨年の3位から1つランキングを上げ、2位にランクされました。ちなみに、1位は昨年に続きスイス、3位は昨年2位のスウェーデン、4位フィンランド、5位米国と続きます。
ちなみに日本は昨年の6位から9位に後退。アジアではほかには香港が11位(昨年11位)、台湾13位(昨年13位)、マレーシアが21位(昨年26位)、中国26位(昨年27位)、インド56位(昨年51位)などです。