韓国人もインスタントラーメンをよく食べる。25年以上もの間、トップシェアを独走しているのが、日本でもおなじみの「辛ラーメン」だ。ところが2011年8月に、これに挑戦状をつきつける久々の大ヒット商品が登場し、韓国ではラーメン戦争が勃発している。

 話題の新商品は、韓国ヤクルトが8月初めに発売した「ココ麺」。ココとはニワトリの鳴き声のことで、日本語なら「コケコッコー」というニュアンスか。商品名の通り、鶏スープがベースだ。

売り切れ続出の「ココ麺」、発売3カ月で首位争いに絡む大躍進

 発売以来、それこそ爆発的なヒットとなり、10月末までの3カ月間で4000万個を出荷したという。小売価格は1000ウォン(1円=14ウォン)で、短期間で400億ウォンを売り上げた。

爆発的な大ヒットとなった「ココ麺」

 ある大手コンビニチェーンの10月の全国販売実績で、ココ麺が突然1位に浮上した。全国展開をする大手スーパーの売り上げでも辛ラーメンと1位を争うなど、ラーメン市場に突然異変が起きている。

 韓国ヤクルトは、反応の大きさに製造ラインを急遽増設し、生産能力を2倍に引き上げている。10月末には、カップ麺も発売したが、こちらも月に600万個の出荷計画だ。

 ココ麺はどこに行っても人気が高い。11月になってようやく大手コンビニにきちんと並ぶようになったが、大型スーパーには置いてないことが多い。

 スーパーでは箱ごとまとめ買いする消費者が多く、入荷してもあっという間に売り切れるようだ。

 11月初めの週末に大型スーパーを何件か回ったが、いずれも店頭にはなかった。店員に聞いても「いつ販売できるか分からない」との答え。知人の若い韓国人に聞いても、「どこに行っても入手難。カップ麺は見たことさえない」という。

韓国では珍しいあっさりスープ、開発者はコメディアンという異色のヒット商品

 ココ麺は、これまでの韓国の主力ラーメンと異なる点が多い。

 第1には、鶏ベースでスープが白いこと。韓国のラーメンは、大半が牛肉ベースで、スープは赤く、味も辛目だった。ココ麺も多少は辛口だが、これまでのラーメンに比べてあっさり味だ。