米国の市場調査会社IHSアイサプライは7日、今後「ウルトラブック(Ultrabook)」と呼ばれる新しい形のパソコンの普及が進み、4年後にはノートパソコンの4割強がこの形になるとする調査予測を発表した。

タブレット対抗のノートパソコン構想

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米カリフォルニア州サンタクララ市にあるインテルの本社〔AFPBB News

 それによると、ウルトラブックの全ノートパソコン出荷台数に占める割合は2011年ではわずか2%。だがこれが2012年には13%に増え、2013年は28%、2014年は38%、2015年には43%になると予測している。

 このウルトラブックとは、特定メーカーによる特定ブランドのパソコンのことではなく、半導体大手の米インテルが提唱する消費者向けノートパソコンの構想だ。

 「ノートパソコンの性能とタブレット端末の機能を併せ持つ」というのがうたい文句で、起動時間の短さ、バッテリー駆動時間の長さなどを特徴としている。

 米アップルのタブレット端末「アイパッド(iPad)」など、インテルのマイクロプロセッサーを搭載しないモバイル端末の普及に伴い、成熟市場を中心に消費者向けノートパソコンの売り上げが鈍化している。インテルはこうした状況を打開したいと考えている。

 ただし、インテルはパソコンメーカーではないため個々のマシンの設計は行わない。そこでパソコンメーカーにインテルの設計概念を示すことで、業界を先導し、同社製プロセッサーの採用を増やそうと考えているのだ。

 このウルトラブックは、既に台湾アスーステック・コンピューター(ASUSTeK)や台湾エイサーが第一弾製品を発売しているが、今年の年末商戦にはさらに多くのメーカーが製品を出すと見られており、インテルはこうした動きに期待を寄せている。