中米地峡のほぼ中央に位置するニカラグア。日本人にはまるで馴染みのないこの国から久方ぶりに入ってきたニュースは、選挙のキャンペーンソングが著作権侵害で問題になっているというもの。

 投票日を11月6日と目前に控えたニカラグアの現況を、このニュースに接し初めて知った人も多いことだろう。

ニカラグアで問題になった「スタンド・バイ・ミー」

 今回問題となっているのは、大統領選で優勢を伝えられている現職のダニエル・オルテガ候補がキャンペーンソングとして使った「stand by me」の替え歌。

 R&Bシンガー、ベン・E・キング、1961年の大ヒット曲だが、日本では1975年のジョン・レノンによるカバーバージョンの方が知られているかもしれない。

 そこに自らがヒーローとなったサンディニスタ革命時の映像をかぶせた、いわばPV(プロモーションビデオ)とでも言えるものがテレビで流されているのである。

ブルース・スプリングスティーンの「ボーン・イン・ザ・U.S.A

 イベントなどで音楽を使用する際、著作権が問題となることは珍しいことではないが、パフォーマーが使用に異議を唱えるというのも、よくあることだ。

 「ボス」ことブルース・スプリングスティーンと言えば、2004年の米国大統領選で反ブッシュ色を明確に打ち出し「vote for change」なるツアーを行った。

 その「change」が実際に起きたバラク・オバマ大統領の就任記念コンサート「We are one」ではトップバッターを務めるなど、民主党支持者であることは今ではよく知られた事実である。

 ところが、そんなことがまだ知られていなかったのか、1984年、再選を目指す共和党ロナルド・レーガン大統領(当時)は、当時大ヒットしていたスプリングスティーンの「Born in the U.S.A.」をキャンペーンソングに使おうとしたのである。

 結局実現はしなかったが、そう考えたのも、この曲の「俺は米国に生まれたんだ!」というリフレインが、そのことを誇りに思う強い米国を示したもの、とイメージされたかららしい。