中国の自動車販売台数と伸び率の推移(1994~2009年、中国汽車工業協会の資料より)
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 一般的に、発展途上国では1人当たりGDPが1000ドルを超えると、モータリゼーション(自動車の普及)が始まり、2000ドルを超えるとそれが加速すると言われている。

 中国の1人当たりGDPは2008年に3000ドルを超え、伸び率も急上昇している。

 中国国家統計局の統計によると、2008年現在、中国における自動車の保有台数は5000万台に達した。また、中国汽車工業協会の発表によると、2009年の自動車販売台数は1364万台に上り(図参照)、初めて米国を抜いて世界一となった。

技術力、国際競争力の強化が中国メーカーの課題

 一方、中国地場の自動車メーカーは技術力不足の悩みを抱え、国際競争力の強化が喫緊の課題となっている。

 その中で、重慶に本拠地を置く四川騰中重工機械という機械メーカーは、金融危機をチャンスと捉えるために、ゼネラル・モーターズ(GM)から「ハマー」ブランドを買収しようと乗り出している。同時に、浙江省に本拠地を置く民営の自動車メーカー「吉利」は、フォード・モーター傘下のスウェーデン企業「ボルボ・カーズ」を買収しようとしている(2009年12月23日に、吉利はフォードと基本合意したと発表した)。

 これらの動きは何を意味するものだろうか。

 発展途上国の中国が、産業構造の高度化を図るために、技術力を強化しようと努力するのは理解できる。だが、象を飲み込もうとするヘビの行動が吉と出るか凶と出るかについては、もう少し丁寧な考察が必要である。

終焉に向かう中国の自動車メーカー戦国時代

 そもそも中国の自動車産業は、東北地方にある第一汽車と湖北省にある第二汽車などの国有企業を中心に発展してきた。