迷走を続ける日米安保関係について、中国政府は今も沈黙を守っている。これまで何度試みても微動だにしなかった日米同盟が、ようやく、しかも日米双方の事情から混乱し始めた事実は決して小さくなかろう。今回は、最近の日米間の確執を中国の立場から検証してみたい。
日本で報じられなかったワシントン・ポストの報道部分
ロバート・ゲーツ米国防長官と都内で会談する岡田克也外務大臣(10月20日)〔AFPBB News〕
日本の大手マスコミは10月22日付ワシントン・ポスト紙の記事を大きく報じた。同紙が引用した「米国はこれまで対アジア関係で日本を『不変要素』と考えてきたが、現在最も困難(the hardest thing)なのは中国ではなく、日本である」との米国務省高官の発言が注目されたからだ。
予想されたこととはいえ、米政府内の対日懸念の大きさを象徴するこの発言は日本側安保関係者に少なからぬショックを与えたようだ。しかし、同記事の本質は同盟関係に関する日米間の確執の深刻さを伝えることだけではない。
記事を書いたのはワシントン・ポストの元北京特派員で、中国語にも堪能な敏腕記者である。筆者は8年前の北京駐在時代に知り合った。中国人を配偶者に持つ中国専門家ながら、ジャーナリストとしてのバランス感覚の高さには大いに敬服したものだ。
彼の記事の中で日本のマスコミが報じなかった部分を一部抜粋してみよう。
○オバマ政権は、もし日本の新政権が中国の台頭に対応する米軍再編計画に関する合意を反故にすれば重大な結果を招くと警告した。
○基地再編計画は、中国海軍に対抗すべくグアムの米軍基地を増強し、中国と北朝鮮の強力なロケット部隊を相殺すべく米軍のミサイル防衛能力を向上させることにより、増強を続ける中国軍事力と対峙するために練り上げられたものだ。
オバマ政権の対日政策批判
沖縄県宜野湾市にある米海兵隊の普天間飛行場〔AFPBB News〕
日本ではほとんど報じられていないこの部分こそが、ワシントンのアジア安全保障問題専門家の「常識」である。この友人は中国の軍事的脅威について比較的穏やかに書いているが、米国の反中・保守派ともなれば、その対中批判はさらに手厳しい。
例えば、10月30日の米フォーブス誌では中国批判で有名なゴードン・チャン氏がオバマ政権の対日政策を次のように痛烈に批判している。普天間移設問題は米国の対中軍事戦略と直結しているのだ。
- イスラムテロより怖い対中債務 (2010.03.12)
- 見直し迫られる中国の「ケインズ流」経済政策 (2010.03.08)
- 北京を中心に地球が回り始める日 (2010.03.05)
- 中国、意外に多いトヨタ同情論 明日はわが身か、と重ねて見る中国人 (2010.03.03)
- 中国の進む道は、台湾かシンガポールか (2010.02.26)
- 「軍事・防衛」
- 「安全保障体制」
- 「日米関係」
- 「日中関係」
- 「中国の軍事力」
- 「普天間基地移設問題」
- 「インペッカブル」
- 「日米地位協定」
- 「日米地位協定の見直し」
- 「対中軍事戦略」
- 「日米中3国関係」
- ■中国イスラムテロより怖い対中債務 (03月12日)
- ■Financial Times中国が挑む世界最大の都市化実験 (03月12日)
- ■The Economistいよいよ世界に蔓延する模造品 (03月12日)
- ■日本のものづくり「できない」と思ったら成功するわけがねぇんだよ (03月12日)
- ■Financial TimesなぜかECBが受けつけない「常識」 (03月12日)


RSS
Twitter
最新記事
最新記事
SHARE
RESIZE
Small Size
Large Size
PRINT
Small Size
Large Size







