ハイテク製品を生み出す先進国として、またアニメに漫画にゲームといったサブカル発信基地として、若ければ若いほど中国人は日本に注目している。ところが、日本に興味を持った彼らは、少なからず興味がやがて失意へと変わっていく。時には日本への敵対心にも発展する。

35歳以下の中国人が憧れる日本という国

 せっかく日本に好感を持った彼らがどうして正反対の態度を示すようになるのか。日本に触れた中国の若者の典型的な例をいくつか検証してみたいと思う。

現実とファンタジー境界があいまいに、中国コスプレ最新事情
現実とファンタジー境界があいまいに、中国コスプレ最新事情

中国でも日本のコスプレは大人気(今年8月に上海で開催されたビデオゲーム博覧会場で)〔AFPBB News

 中国の若者で日本が好きというと、アニメかゲームで日本に触れた人と思ってまず間違いない。日本でアニメやゲームが若者を虜にするのは1970年代後半からだった。

 「宇宙戦艦ヤマト」などのアニメや、スペースインベーダーなどのゲームに当時の若者は夢中になった。一方、中国では日本に遅れること20年。90年代後半にアニメとゲームの時代が訪れる。

 理由はエレクトロニクス製品の普及の遅れにある。80年代に上海や北京などの大都市でやっとテレビや白物家電が広く普及し始める。内陸部ではさらに10年遅れて80年代後半から90年代にようやく普及が始まった。

 日本に比べて普及は遅れたものの、いったんこうした家電製品が売れ始めると、日本以上に爆発的にアニメやゲームのブームが花開く。

 現在の20代、30代の中国人に聞いてみると、彼らが小学校高学年から中学生の時に、既にファミコン(互換機)と大量のソフト(海賊版が大半)を持っていたクラスメートがいたそうだ。また買ったばかりのテレビで、「ドラえもん」「一休さん」「ウルトラマン」「花の子ルンルン」などを見ていたという。

 アニメを映すテレビの多くは日本製だった。そして洗濯機などの白物家電も日本からの輸入品が多かった。新聞からの得た情報ではなく生身で触れるハイテク国家として、またサブカルを発信する国として、中国人の庶民の間に日本が急激に認知され始めたのだ。

 つまり1975年前後以降に生まれた人たちが、感受性の強い子供時代に日本のコンテンツに深く触れてきたことになる。ちなみに1975年前後以降の世代はインターネット利用率が高い世代でもあり、それ以前の世代はインターネットなどのハイテクを難しいと毛嫌いして使いたがらない世代で、中国人の世代間ギャップがここでとりわけ深い。