米アマゾン・ドットコムが、また米アップルへの対抗策を打ち出して話題になっている。今度はアップルがこの6月に発表し、今秋にも正式サービスを開始するクラウドサービス「アイクラウド(iCloud)」の中の音楽サービス「アイチューンズ・イン・ザ・クラウド(iTunes in the Cloud)」に照準を定めている。
音楽のアップロード容量を無制限に
アマゾンは米国時間6日夜、同社が今年3月に開始した音楽ファイルの保管サービス「クラウドドライブ(Cloud Drive)」を刷新し、同サービスの有料オプションを購入する顧客に対して、一定の期間、音楽ファイルの保存容量を無制限にすると発表した。
これは事実上の大幅値下げを意味しており、アップルが正式サービスを始める前に、できるだけ多くのユーザーを取り込みたい考えのようだ。
このクラウドドライブは、同社のオンライン音楽販売ストア「アマゾンMP3」で購入した音楽ファイルを保存したり、ユーザーがパソコンなどに保存している音楽や文書、画像などのファイルをアップロードしたりして、保管できるサービス。
同サービスでは、登録ユーザーに無料で5GB分の保存容量が割り当てられるが、アマゾンMP3で音楽アルバムを1つ購入するとその容量が20GBに増える。またアマゾンMP3で購入した楽曲については割当容量にかかわらず無制限で保存できる。
新サービスではこれに加え、保存容量をさらに拡張できる有料オプションを購入すると、一定の期間、音楽ファイルのアップロード容量が無制限になる。
またこれとは別に、アマゾンが今年3月にこのクラウドドライブを立ち上げる前にアマゾンMP3で購入した楽曲についても、無制限で保存できるようにした。同社は新サービスのこうした仕組みを利用して、パソコン内にある音楽ファイルを好きなだけアップロードしてほしいとユーザーに呼びかけている。