毎年2月にモスクワでは「PRODEXPO」と称する食品関係の大展示会が開催される。
ちょうど日本の幕張メッセで行われる「FOODEX」のロシア版と思っていただければいいだろう。今年は、日本の商社によるブース、そして農水省の「Japanブース」に加え、日本メーカーの商品展示が積極的に行われていた。
日本酒の試飲会にロシア人が次々と
これら入場自由な展示会以外にも、日本大使館ホール、あるいはモスクワ大学の一角にある日本センターを借りての招待者限定の展示会も、モスクワでは珍しくなくなってきた。
出かけてみると、どの会場でも大勢の招待客を見かける。ロシアでの日本食品に対する関心の強さが実感として感じられる瞬間だ。
最近特に多いのが清酒の試飲会。半被(はっぴ)を着た日本からの出張者がロシア人招待客相手に自社の清酒を盛んに勧めている風景をよく見る。タダ酒が飲めると知ったロシア人は喜んでその勧めに応じている。一方、日本からの出張者もロシア人の対応の良さに「良い手応えです」と満足げな様子。しかし、そういう光景を見るたびに、日露貿易の難しさを知る私は複雑な思いに駆られてしまう。
実際、問題は試飲会が終わった後に起こる。