記念すべき100年目の航空ショー
6月15日から21日まで、恒例のパリ国際航空ショーが開催された。これは、世界で最も歴史があり、しかも重要な航空ショーと位置づけられているもので、スタートから今年でちょうど100年になる。
航空ショーというと、私などは、アクロバット飛行などが披露されるイメージが先にくる。確かに、このショーでも、そういったスペクタクルはちゃんとあるのだが、むしろビジネス的な性格がより強い。
1週間の会期中、最初の4日間は「プロ」の日で、後半の3日間のみが一般公開となっている。つまり、第一にそこはビッグビジネスの場なのである。
ちなみに「プロ」の日は、ビジネスカードの提示が必要とされており、入場料は、インターネットの前売りで32ユーロ(1ユーロ135円換算で4320円)、当日券が42ユーロと、決してお安くない。
世界的な経済危機、そして、5月末に起こった、ブラジルのリオデジャネイロ~フランス・パリ間のエールフランス機の事故と、したたかな逆風を受けての開催となったが、出展は世界47カ国から2000件以上と、拡大の記録を塗り替えている。
大西洋横断飛行の記念すべき着陸地点
会場となるル・ブルジェという場所は、パリとシャルル・ド・ゴール国際空港の中間くらいにある空港施設。現在、定期便の発着にはあまり利用されていないが、1927年、チャールズ・リンドバーグが、大西洋単独無着陸飛行に成功した、その着陸地点にあたり、航空史上、記念すべき場所である。
会期中、郊外線の駅、ル・ブルジェからは、2両連結のシャトルバスが出ており、電車から続々と吐き出される人々を会場までピストン輸送している。5分ほどで到着した会場は、全容が計り知れない。
それもそのはず、飛行機がいくつも展示されているくらいのスケールなのだから。受付でプレスセンターの場所を聞けば、「恐れ入りますが、10分ほど歩いていただくことになります」という答えが返ってきた。
ずらりと連なったホールの中には、数え切れないくらいのスタンドがひしめいている。2000件の出展者の中には、富士通、三菱重工業など、日本企業も複数あった。
エアバス、ダッソー・アビアシオンなど、フランスを代表する航空機メーカーのブースが並ぶメーンホールを通り抜けると、そこは屋外の展示場。大小の飛行機が並び、頭上では、既にヘリコプターのデモンストレーションが始まっていた。
スーツにネクタイ族が圧倒的
「一般公開の日よりは、格段に人が少なくて、動きやすい」というのが、既に何回もこのショーに来ている友人からのアドバイスだった。確かに、ごみごみしている様子はなく、むしろ、ちょっと寂しいくらいのにぎわい。