インターネット上の住所にあたるドメイン名を管理する国際機関、アイキャン(ICANN)が6月20日、「.com」といったドメイン名の末尾について、使用できる単語や言語の自由化を決めたと発表した。
キヤノンなど国際ブランド展開で取得へ
これはドメインの中でも一般トップレベルドメイン(gTLD)と呼ばれるもので、現在は「.com」のほか、「.org」「.net」「.edu」「.gov」など合計22種ある。
これを法人に限って原則自由に設定できるようにするというもので、既にキヤノンが「.canon」の取得を目指すと発表しており、日立製作所も「.hitachi」取得の準備を進めている。
これによりキヤノンなど国際的なブランドを展開する企業は、これまでの「canon.com」のようなドメイン名に比べ、ブランドがより直感的に理解、認知され、世界的に統一して利用できるコミュニケーション手段になると期待している。
その一方で、企業にとってはコスト増にもつながり、混乱が生じそうだと英フィナンシャル・タイムズなどの海外メディアは報じている。
審査費用は実に1500万円
現在のトップレベルドメイン名は大別して、「.jp(日本)」のような国・地域別ドメイン「ccTLD」と、「.com(商業)」のような分野、用途別の「gTLD」がある。
ICANNは後者のgTLDについてこれまで、審査基準を緩和して自由化を進める方針を打ち出していたが、20日にシンガポールで開催した理事会でこれが賛成多数で承認されたというわけだ。
新たなgTLDの申し込み受け付けは2012年の1月12日から始まる。申請できるのは実績のある法人に限られ、個人は対象外となる。審査費用は実に18万5000ドル(約1480万円)と高額だ。