内モンゴル自治区で発生したモンゴル系住民の轢死事件をきっかけに同自治区内は厳戒態勢となり、中国ナンバーワンSNSサイトの「人人網」にアクセスできなくなった。その人人網は今月初めにニューヨーク証券取引所に上場したばかりだった。
フェイスブックを完全模倣した「人人網」
人人網は以前は同学校の学生をつなぐという意味で「校内網」という名前であり、同じく学校内での交流を図るために作られたフェイスブック(Facebook)を見習ったもので、校内網のデザインは登場当初は誰もが認めるほどフェイスブックにそっくりだった。
厳戒態勢の中、その地域のSNSを遮断というと、北アフリカのチュニジアで発生した民主化革命「ジャスミン革命」が中国に波及して以来の動きを思い出す。
人人網のほかにも中国ネット企業では、アマゾン中国(Amazon China)似のオンラインショッピングサイト「当当網」や、ユーチューブ(YouTube)似の動画サイト「優酷網」が昨年末に上場した。
当当網はアマゾンのシェア以上に人気であり、優酷網についてはライバルのユーチューブがネット規制によりアクセスできなくなったが、土豆網とともに非常に人気の動画サイトで、ユーチューブの存在感を消している。
ニコニコ動画も現在は中国からアクセスできないが、昨年末にニコニコ動画が見えなくなるタイミングと、ニコニコ動画にそっくりなビリビリ動画というサイトが登場したタイミングがほぼ一致している。
グーグルに対し去るもの追わずの中国政府
中国ではフェイスブックのようなSNSサイト「人人網」が人気、ではツイッター(twitter)のようなサイトはというと、やはりそっくりサイト「新浪微博」「騰訊微博」などがあり人気となっている。
ただし「新浪微博」の母体はナスダック(NASDAQ)に上場した「新浪(Sina)」、「騰訊微博」の母体は香港証券取引所に上場する「騰訊(Tencent)」であるため、中国のツイッター人気により両社が上場するというわけではない。
さて中国のネット検閲というと、誰しも中国での検索業務から撤退したグーグル(Google)を思い浮かべると思う。中国政府は会見でもグーグルを引きとどめようとせず、去る者を追わずという姿勢を見せた。
昔でこそ中国における検索市場のシェアにおいてグーグルがトップだったが、今や8割以上の国民が百度を利用しているので、ユーザーの反発はヘビーユーザー中心のもので、全体で見れば実のところそう大きくなかった。