米国の市場調査会社IDCが、世界スマートフォン市場予測を発表した。今年のメーカー出荷台数は昨年の3億500万台から55%増えて4億7200万台になる見通しだ。

 より多機能の端末を求めてスマートフォンに移行する人が増えることから今後も市場は拡大し、2015年には今年の2倍以上の9億8200万台と、ほぼ10億台に達すると同社は予測している。

 とりわけアジア太平洋地域や中南米といった、まだ普及が進んでいない新興国市場では、携帯電話市場全体の4倍の速さでスマートフォンが普及していくという。その要因は「平均販売価格の下落」「端末機能の向上」「データプラン料金の低下」とIDCは分析している。

アンドロイドがついに首位へ

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OS別に見ると、アンドロイド搭載端末が首位に浮上すると見られている〔AFPBB News

 スマートフォンの基本ソフト(OS)について見ると、米グーグルが開発を主導する「アンドロイド(Android)」のシェアが今年の年末までに38.9%になり、昨年の2位からトップに浮上する。

 台湾HTCや韓国サムスン電子など、アンドロイドを自社戦略の基盤とする端末メーカーが増えており、成長を促進しているという。

 アンドロイドに次いで出荷台数が多いのが、フィンランドのノキアが採用する「シンビアン(Symbian)」で、そのシェアは20.6%。

 この後を、米アップルの「iOS」(18.2%)、カナダRIM(リサーチ・イン・モーション)の「ブラックベリー(BlackBerry)」(14.2%)、米マイクロソフトの「ウィンドウズフォン7/ウィンドウズモバイル」(3.8%)が続くとIDCは予測している。

 アンドロイドのシェアはさらに伸び、2015年には43.8%になると同社は見ている。またアップルのiOS、RIMのブラックベリーのシェアは今年に比べ若干低下していくものの、順位は現在と同じで推移し、出荷台数も大きく伸びるという。