写真提供:日刊工業新聞/共同通信イメージズ
スギ薬局グループは、地域ネットワークを基盤に、顧客の健康状態に応じた生涯支援を行う「トータルヘルスケア戦略」を推進している。その実現に向け、同社はアプリを中心に多様な場面でデジタル活用を進め、データ分析を通じて顧客理解を深めてきた。スギホールディングス執行役員SCM・DX・コーポレートブランディング担当の森永和也氏が行った講演の内容を基に、同社のデジタル活用の取り組みを紹介する。
多様な専門人材の力で成長を続けるスギ薬局グループ
競争が激化するドラッグストア業界において、スギ薬局グループは着実な成長を遂げている。売上高は年々増加し、2025年2月期に連結で8780億円、2027年2月期の1兆円の目標を1年前倒しで達成する見込みである。店舗網の拡大も順調で、2024年9月にはI&H(阪神調剤グループ)を子会社化。2025年7月末時点で、北海道から九州まで全国各地に2275店舗を展開している。
こうした成長の背景には、「目の前のたった一人のお客様を大切にする」という創業以来の考え方がある。地域密着を重視し、顧客一人一人に寄り添ったサービスを提供し続けることが、同社の強さの源泉である。
その強さを支えているのが、「人は財産」の考えに基づき同社が推進する人的資本経営だ。スギホールディングス執行役員SCM・DX・コーポレートブランディング担当の森永和也氏は、同社の特徴について次のように語る。
「スギ薬局グループでは地域社会のニーズに応えるために、多様な専門人材を豊富にそろえている点が大きな強みです。薬剤師、管理栄養士、看護師、ビューティーアドバイザーといった人材が、店舗を中心に各地で活躍しています」
こうした専門人材を軸に、リアル店舗と地域のネットワークを築き上げてきた。そしていま、そのリアルの基盤の上にデジタルの力を融合させながら、新しい顧客接点を創出している。






