写真提供:©Alexander Pohl/Alto Press via ZUMA Press/共同通信イメージズ ※Germany Rights Out
リーダーが指示や鼓舞をしなくても、部下が自発的に動き、チームに活力と価値をもたらす――そんな仕組みは、どうしたら構築できるのか。『無言のリーダーシップ』(田尻望著/SBクリエイティブ)から内容の一部を抜粋・再編集。高付加価値を生み出すキーエンスで著者が学んだ、革新的なマネジメントの神髄に迫る。
面倒見が良すぎるリーダーは、対話や作業で疲弊しがちだ。効率的に自走する組織を築くために、積極的に導入すべき「仕組み化」の要諦とは?
仕組みがなければ一生しんどい
『無言のリーダーシップ』(SBクリエイティブ)
――忙しいリーダーこそ仕組み化に時間を使え
多くのリーダーが仕組み化に着手できない最大の理由は、「とにかく忙しすぎる」ということだ。特に、個人目標を達成しながら、部下からの相談や進捗管理、問題発生時のフォローまでこなすプレイングマネージャーは、日々やることが山積みで、土日返上で働いている人も少なくないだろう。
リーダーは、「いつかは仕組み化しなければ」と思いつつも、日々のノルマに追われ、いつの間にか「仕組みは後回し」という悪循環に陥る。
本章では、リーダーの負担を減らしつつ成果を上げていくための具体的な仕組みを紹介していく。前章までのステップを踏んだチームでは、すでに仕組みを受け入れ、運用していく土壌が育っているはずだ。どれも比較的取り入れやすいものなので、あなたのチームで活用できるか検討してみてほしい。
――「都度相談」に疲弊するリーダーたち
どんなにリーダーが優秀でも、日々の細々としたトラブルや相談ごとがゼロになることはない。部下から「質問があるんですが…」「ちょっといいですか?」と声がかかるたびに、「いま答えないと部下が困るし…」とリーダーがその場で答え、一緒に問題を検討する。そのやり取りが、いつの間にか30分、1時間と長引くことも珍しくない。






