デジタルネイティブなインドの若者たち
写真提供:Debajyoti Chakraborty/NurPhoto/共同通信イメージズ

 経済発展著しいアジア。しかし、“アジア”とひとくくりのマーケットで捉えることはできない。なぜなら国や世代ごとに消費行動やニーズが大きく異なり、数値だけでは見えてこない背景・理由を読み解く必要があるからだ。本稿では『アジアン コンシューマー クロニクル』(北島尚著/マクロミル グローバル・リサーチ編/中央経済社)から内容の一部を抜粋・再編集。

 IT技術とともに成長してきたインドのZ世代。人口の30~35%を占めるこの層の価値観やライフスタイルは、消費行動にどう影響を与えているか?

インド:本物志向とカスタマイズ

 インドのZ世代は、本調査(「アジア価値観調査」)でのセグメントでは、1995年から2024年の間に生まれた「デジタルネイティブ(DN)」(Z世代+α世代を含む)で、全人口の30〜35%です。

 インドでは、デジタル化の歩みは1995年から始まっており、この世代はデジタル技術とともに成長してきたといえます。

■ インドのZ世代概略、価値観・ライフスタイル

① 前例のない経済成長の中、自国に誇り

 この世代は、子どもの頃から高成長の経済を経験しています。政治的に安定し、復活したインドを目の当たりにしてきたため、自国に誇りをもち、国の全般的な方向性に対して楽観的な見方をする傾向があります。