スマートフォンを操作するタイの若者写真提供:Matthews Hunt/NurPhoto/共同通信イメージズ
経済発展著しいアジア。しかし、 “アジア”とひとくくりのマーケットで捉えることはできない。なぜなら国や世代ごとに消費行動やニーズが大きく異なり、数値だけでは見えてこない背景・理由を読み解く必要があるからだ。本稿では『アジアン コンシューマー クロニクル』(北島尚著/マクロミル グローバル・リサーチ編/中央経済社)から内容の一部を抜粋・再編集。
インターネット普及率が10年で3倍に伸び、オンラインショッピング利用者は4000万人を突破したタイ。急成長するEC(電子商取引)市場で、Z世代の心をつかむための鍵はどこにあるのか?
タイ:ブランドストーリー×価格
『アジアン コンシューマー クロニクル』(中央経済社)
タイのZ世代は2000年以降生まれの現在10代から20代前半で、約1090万人の人口がいます(図表4-3)。2024年時点では学生や就職活動中の経済活動前の人たちも含まれています。
他の4ヵ国のZ世代とは異なり、企業や商品・ブランドなどと消費者の関係性を重視するブランドエンゲージメントや、真正性のあるブランドストーリーへの共感を重視するのが特徴です。
■ タイのZ世代概略、価値観・ライフスタイル
① 政情不安と経済停滞・失業率増加
ASEANの総GDPの17%を占めるタイは、ASEAN加盟国の中ではインドネシアに次ぐ2番目の経済大国です。GDPは2008年から2018年の10年間で73%成長しており、政治的には混乱しているもののタイ経済の底力を見せてくれています。







