撮影:榊水麗
パナソニックホールディングスでは、2025年6月より玉置肇氏が代表取締役 副社長執行役員に就任した。大規模な改革が進められる同グループにおいて、玉置氏は2021年からCIOとしてDXプロジェクト「PX(パナソニックトランスフォーメーション)」をリードしてきた。今回の人事は、玉置氏がIT領域にとどまらず、経営基盤を含めた構造改革に携わることを意味するという。どのような企業変革を描いているのか。玉置氏と、経済産業省による「グローバル競争力強化に向けたCX研究会(※)」の発起人である経済産業省の片山弘士氏が語り合った。
※CX=コーポレートトランスフォーメーション:企業変革
経営基盤から行うグループの変革、その推進者に
――玉置さんは、6月より代表取締役 副社長執行役員に就任しました。また、これまで担当していたグループCIOを引き継いだことに加え、新たにグループCTRO(Chief Transformation Officer)の役職にも就いています。この人事の背景はどのようなものでしょうか。
玉置肇氏(以下敬称略) 今回の人事は、社長の楠見雄規や取締役会が、パナソニックが今何をしなければならないと考えているのか、その内容が表れたものになったと感じています。
パナソニック ホールディングス 代表取締役 副社長執行役員、グループCIO、グループCTROの玉置 肇氏
私はこれまで、パナソニックグループのDXプロジェクト「PX」を担ってきましたが、これをデジタル領域の活動にとどめず、経営基盤を含めたグループ全社の企業変革として進めていくことになりました。そこで副社長就任に加え、今までのCIOに付随して、経営基盤全体の変革を担当するCTROという役職に就いたのです。
経営基盤の変革とは、グループの経理・財務・人事・法務といったコーポレート機能を変えていくことも意味します。 グループのコーポレート機能を担う子会社、パナソニック オペレーショナルエクセレンスの代表取締役 社長執行役員 CEOにも就任したのですが、このポジションから変革を進めていくことになります。







