東京地下鉄代表取締役社長の小坂彰洋氏(撮影:内海裕之)
2024年10月、東証プライムに株式上場を果たした東京地下鉄(以下、東京メトロ)。同社は2004年、帝都高速度交通営団が民営化されて現社名に変更。2008年には新たに副都心線も開業するなど、東京都区部を軸に高密度で高効率な路線を運行する。今年4月からは3カ年の新中期経営計画がスタートし、8年ぶりとなるトップ交代により小坂彰洋社長がかじ取りをしている。鉄道事業「一本足」からの脱却を掲げる小坂氏はどんな経営を目指すのか、話を聞いた。
株式上場後に起きた「変化」
──昨年(2024年)10月の株式上場後、どのような変化を感じていますか。
小坂彰洋氏(以下敬称略) 上場企業になったので当然ですが、われわれに対する評価が日々株価に反映されるため、より緊張感を持って経営に当たっています。また、株主総会で東京メトロの利用者でもある株主さまから直接、ご要望をお聞きし、ひしひしと当社に対する期待感が伝わってきました。
また、従業員持株会に入っている社員が多く、当社の評価が上がれば社員のモチベーションも上がり、株価が上がれば持ち株の資産価値も上がりますので、そこは良かった点です。
東京メトロの上場セレモニー(2024年10月23日/写真提供:東京メトロ)
そして、異業種企業から「一緒にビジネスをやりませんか」とお声がけをいただくケースが以前にも増して多くなってきたのもメリットのひとつです。
──他社との具体的な協業事例ですでに始動しているものはありますか。






