1on1は、まずはあなたの武装解除から。shota–stock.adobe.com
社員の主体性・自律性の向上を促し、定着率を高めるなどの狙いから、多くの企業で「1on1ミーティング」(1on1)が導入されている。しかし、効果的に実施できている企業は一握りで、1on1を実施しているにもかかわらず、何も語らぬまま会社を辞めていく若者が後を絶たない。なぜ、1on1はうまくいかないのか? 今の若者は何を考えているのか…? 本連載は、1on1を核とした世代間コミュニケーションの問題を切り口に、職場の若者を多面的に分析した『静かに退職する若者たち』(金間大介著/PHP研究所)から、内容の一部を抜粋・再編集。若者世代の部下・後輩との1on1の前に知っておくべきことについて解説する。
今回は〈表面志向〉タイプの若者の深層心理について解説する。
T4 〈表面志向〉の深層心理「要するに業務ですよね。上司側のノルマみたいな」
「この世は所詮、ライアーゲーム」
と、僕に言い放った学生がいた。
その真意は「とにかくこの世は騙しあい」、という意味ではなく(いや、本当はそうだったかもしれないが、少なくとも僕が受け取った意味は)「みんな、本来の自分とは全く別の人を演じながら生きている」というものだった。
もし、それが「真」だとしたら、「所詮、1on1もライアーゲーム」ということになる。そんな「この世は所詮、ライアーゲーム」な若者たちは、1on1をこんな風に捉えている。
- 上司が部下を気づかうための場
- 上司が部下のモチベーションを上げようとする場
- 上司が部下の問題探しをする場
- 上司が部下を味方につけようとする場
とにかく冷めた印象を受ける。さすが世界をライアーゲームに変換するだけのことはある。
1on1に対しては、「上司の皆さんが課せられた業務だから、お互い仕方なくやっていますよね」というスタンスだ。
上司はその職務として部下を気づかう必要があり、モチベーション管理をしなければならない。部下が問題を抱えていれば、その解決に向けて伴走する姿勢を見せる必要がある存在。そう捉えている。
そんな冷めた姿勢をわかりやすく見せてくれるなら、上司としてはまだやりやすいかもしれない。ただ、多くの場合はそうではない。






