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 “キーエンスの数値化”は、セールスなど数値目標が明確な業務だけで効果を発揮するのではない。むしろ数値目標を設定しにくい業務こそ、数値化によるパフォーマンス向上が期待できる。キーエンスで数値化を実践してきた岩田圭弘氏は、「1週間の業務内容を記録して見直すと、会議が長すぎることや無駄な作業をしていることなどが見えてきます」という。本連載では、『数値化の魔力 “最強企業”で学んだ「仕事ができる人」になる自己成長メソッド』(岩田圭弘著/SBクリエイティブ)から内容の一部を抜粋・再編集し、行動の数値化から時間配分を見直す流れを紹介する。

 今回は、人材採用を例に間接業務の数値化について解説する。

本稿は「Japan Innovation Review」が過去に掲載した人気記事の再配信です。(初出:2024年6月10日)※内容は掲載当時のもの

 ここまで営業を例に説明してきましたが、たとえば人事のボトルネックの解消ではどのようなことを検討すべきか見てみましょう。

 たとえば下の図を見たときに、行動目標に対して行動実績を確認したところ、「応募」件数が足りていません。

 つまり「応募」がボトルネックです。

 この場合、「1日480分」のリソースをどのように調整すればいいでしょうか。

 人材採用に関してはいくつかのチャネルがありますが、たとえばダイレクトリクルーティングなのであれば、「スカウトの送信数」を増やすことにリソースを集中させます。

 このとき、同じように、以下を実施することで、「スカウト送信作業用の時間」を捻出していきます。

  • 1回の「スカウト送信」にかける時間を減らす
  • 1日の作業のうち、「スカウト送信」以外のタスクで「作業時間を減らすもの」を決める
  • 1日の作業のうち、「スカウト送信」以外のタスクで「やらないもの」を決める
  • 1日の作業のうち、「スカウト送信」以外のタスクで「人に任せるもの」を決める

 また、人材採用においては応募数が増えれば面接数も増えてきますので、面接数を増やすために、面接の時間を60分かけていたところを45分に圧縮する方法を検討することも有効です。

 たとえば質問事項を必要最小限にまとめるなどもいいでしょう。