
この1、2年で世間の認知が急速に高まり、ビジネスでの活用も進みつつある生成AI。数年前から議論になっていた「AIは人間の仕事を奪うのか」という懸念がついに現実になり始めたともいえる。本稿では、『生成AI・30の論点 2025-2026』(城田真琴著/日経BP 日本経済新聞出版)から、内容の一部を抜粋・再編集。前述の懸念への回答と合わせて、生成AI活用によって変貌しつつあるビジネスの在り方から、環境問題への影響まで、多角的な視点で解説していく。
生成AI活用により大きく変わりつつあるインターネット検索の“常識”。SEOに代わって重要性を増す「AEO(Answer Engine Optimization)」とは何か?
AI検索が促すSEOからAEOへの戦略転換

インターネット検索において、長らく主流であった検索エンジン最適化(Search Engine Optimization=SEO)は、デジタルマーケティングの中心的な役割を果たしてきた。しかし、AI技術が進化し、グーグルやマイクロソフト、OpenAI、Perplexity AIといったAI検索エンジンの台頭により、検索のあり方が大きく変化している。この変化の中で、SEOだけではなく、ユーザーの具体的な質問に対して的確な回答を提供する「アンサーエンジン最適化(Answer Engine Optimization=AEO)」が新たな注目を集めている。
■ AI検索の台頭
2022年にChatGPTが登場して以来、検索の仕組みは大きな転換点を迎えている。OpenAIの「SearchGPT」やPerplexity AI、さらにはマイクロソフトが従来のBingにAIを統合した「Bing Generative Search」など、AIを活用した新しい検索サービスが続々と登場している。
これらのAI検索は、従来のキーワードベースの検索ではなく、自然言語での質問に対してAIが最適な回答を提供することを特徴としている。