アクセンチュアは2024年8月21日、同社が実施したグローバルCFOリサーチの最新版「CFO Forward」の調査結果を説明する記者発表を行った。同社の日本統括マネジング・ディレクター、山路篤氏によれば、企業における全社変革プロジェクトが増加する一方で、日本のCFOはそれらにオーナーとして積極的に関与できている例がまだ少ないという。記者発表では、グローバルトレンドや最新の事例、日本企業の状況や処方箋なども紹介された。
CFOがリードする全社改革がグローバルで増加
アクセンチュアは20年以上にわたり、CFOと経理財務部門の貢献を調査してきた。「CFO Forward」はその最新版で、CFOが主導する変革に向けた取り組みと、テクノロジー活用状況を中心に質問が行われた。
調査は2023年6月から8月にかけて、さまざまな業種・地域の、売上10億ドル規模以上のグローバル企業を対象に、1420人の財務リーダーへのサーベイ、20人のCFOへの個別インタビューにより実施された。日本では136社(人)が回答している。
山路氏は発表の冒頭に「不確実性が増大する現代において、継続的に変革し続ける企業が成長を実現しています」と語った。実際に、同社の調査によれば、野心的な目標を掲げて継続的に変革(全社・業界・社会)に取り組む企業は成長を遂げており、そうでない企業との差が年々開いているという。
このため、変革に取り組む企業も増えている。全社変革プロジェクトの数を見ると「現在取り組み中・取り組み済」のテーマの数は1社あたり平均3.1件なのに対して、「1年以内に取り組み開始」するテーマが1社あたり平均2.1件となっている。つまり、今後1年間で全社変革プロジェクトは5件以上に増えるわけだ。
注目すべきは、そこでのCFOの役割の変化である。