ロイヤルホストの売上が回復している。2022年10月以降、既存店売上高が9カ月連続でコロナ前の2019年水準を上回っているが、その背景には客数だけでなく、客単価がアップしたことが大きい。ロイヤルホストではこれを「価格を引き上げたのではなく、食事目的のお客さまが増えたから」と説明する。それはどのような取り組みの成果なのか。ロイヤルホストを展開するロイヤルフードサービス代表取締役社長の生田直己氏に聞いた。

ロードサイド立地の店舗が強さを発揮

 ロイヤルホストがコロナ下にあっても売上を伸ばした理由について、生田氏は2つの理由を挙げる。

 1つ目の理由がロードサイドの店舗が強さを発揮したことだ。

 ロイヤルホストは1971年、北九州市黒崎に1号店をオープンさせてから50年以上の歴史があるが、当初はモータリゼーションの発達に合わせ、ロードサイドに車で来店できるように駐車場を広くとった店舗をつくってきた。その後、人の動き方が変わり、都市や繁華街に人が集まるようになると、こうした立地にビルインタイプで出店するようになっていくが、実は、コロナ禍で最も影響を受けたのが、こうした都市や繁華街にある店舗であった。

 その一方で、コロナ禍にもかかわらず、ロードサイドの店舗は強さを発揮する。当時は周囲に住宅が多くなかったが、時がたつにつれ、周囲に多くの人が住むようになり、そうした人たちが「地域のお店」に食事目的に集まったのだ。ロイヤルホストが持つ「少し価格は高いが、食事がおいしい店」というポジションがコロナの閉塞感の中で目的来店の動機となって客数が増加、同時に食事目的のお客は客単価が高いことから、売上を回復させることができた。

コロナ禍にあって「オニオングラタンスープ」の出数が1.5倍増えた。これはロイヤルホストを象徴するフードメニューの一つで、マリリン・モンローが来日した際に好んで食べたことが有名だが、今ではロイヤルホストのファンが好んで注文するメニューとなっている

テイクアウトとフローズンミールで外販を強化

 売上回復の2つ目の理由は外販を強化したことだ。

 ステーキやハンバーグといったロイヤルホストが強いメニューをお重のような高級感のある容器に入れ、テイクアウトで提供した。そうしたところ、テイクアウトの売上比率は約10%を占め、コロナが猛威を振るい、店舗売上が低かった時期を支える存在となった。しかも、テイクアウトの売上比率はコロナが終息に向かうにつれて下がっていったが、テイクアウトの売上金額自体は変わらず、「ロイヤルホストのメニューをテイクアウトで楽しむことが定着している」(生田氏)

 もう1つ、ロイヤルホストが取り組んだのが調理済みフローズンミール「ロイヤルデリ」の販売だ。店舗の売上が厳しかったときに、従業員がこの商品をお客に積極的に告知することで売上が上がる成功事例が増加。今ではロイヤルホスト全店でレジ周りに「ロイヤルデリ」の冷凍設備を入れるようになっている。