* 本コンテンツは以下講演の【全文採録記事】で構成しています *
第1回 CXフォーラム
特別講演1「デジタル×サステナビリティ時代の顧客経験と価値創造」

開催日:2023年5月29日(月)
主催:JBpress/Japan Innovation Review

 DXが加速する現代において、スマート技術を活用し、社会的価値の創造につながるCX(顧客体験)をいかに向上させるかは、企業にとっての大きな関心事です。国内外でマーケティングに関する研究実績を積む、早稲田大学大学院経営管理研究科(ビジネススクール)教授の川上智子氏は、循環型経済に対応したサーキュラーなCXモデルを提示します。

 川上氏は顧客の認知から購買までを含む従来の短期的なCXから、経済構造の転換に伴って、顧客の「ファン化」へ照準を合わせた長期的なCXが求められていると指摘。顧客行動に絶えず刺激を与え、“ハマる”状態を作り出す「釘付けジャーニー」の考え方をもとに、スマート技術でユーザーの遊び心を掴んだ「ポケモンGO」の成功事例を解説します。またその釘付けジャーニーをうまく利用すれば、社会課題解決の一つの切り口になると指摘。その一例としてカルビーのある取り組みを紹介します。

 社会課題解決とCXの関係性とは。本講演ではSDGsなどの社会課題の解決に寄与し、企業の存在意義を高める、長期的なCXの設計のメソッドを探ります。

【TOPICS】

  • マーケティングに関する近年の研究活動
  • DX時代の企業活動の中心は「売り上げ利益」から「社会価値の創造」へ
  • 学者/実務者の両面から考えたCXの再定義
  • オンライン上の購買に関する短期的なCXモデル
  • コトラーの5Aモデルから読み解くスマート技術の有用性
  • ジェットコースターのようなワクワク感で惹き付ける「釘付けジャーニー」とは
  • 「ポケモンGO」成功の要素は観察可能性・試行可能性
  • チリの「レジ袋禁止」をめぐる混乱と行動変容の難しさ
  • ごみ削減を目指すカルビーが取り入れた“遊び心”