* 本コンテンツは以下講演の【講演動画】と【全文採録記事】で構成しています(役職等は講演時点のもの) *
第2回 取締役イノベーション
特別講演3「取締役会が果たすべき役割:持続的成長を実現するために」

開催日:2023年2月17日(金)
主催:JBpress/Japan Innovation Review

 コーポレートガバナンス体制強化策の一つとして広く企業に取り入れられている「経営の監督と執行の分離」は、取締役会のあり方を考える上で欠かせないキーワードとなっています。執行の責を負い「監督される側」である社長、非執行で「監督する側」の取締役会議長、そして社外取締役といったさまざまな経験から実践を通じた考察を紹介するのがコニカミノルタ特別顧問の松﨑正年氏です。

 早期から取締役会における監督、執行の役割を分け、経営に対する強固なチェック体制を構築してきたコミカミノルタでは、さまざまなバックグラウンドを持った取締役がそれぞれの立場を明確にした上で議論を交わし、実効性評価で確認・改善を行ってきました。

 こうした環境下で松﨑氏は社長時代、意見を経営改善やリスク回避に生かすために「積極的に監督される」ことに努めた一方、議長に就いた際には「監督とは何か」について改めて勉強を重ね、自ら情報収集に奔走し、精力的に発言するアクティブオーバーサイトの姿勢が重要だという答えにたどり着いたといいます。

 さらに、議題は社外取締役にも及びます。「社外取締役には何が求められるか」という問いかけに対し、松﨑氏は「社外の視点で、執行する側の役に立つ意見を言えるかどうかが非常に大事」であるとし、資質を備えた社外取締役を一定数そろえられることが理想的だと指摘します。

 経営の基本は株主が期待する「企業価値の向上」であると強調する松﨑氏。一方で、重要なステークホルダーは会社事業を支える社員であるとし、株主の期待に応える業績を上げるためには監督、執行いずれの立場においても現場の人的資本への注力は惜しむべきではないと付け加えます。

 経営環境が目まぐるしく変化する中、企業が持続的な成長を実現するために取締役会はどのように機能を強化させるべきか。本講演では、さまざまな立場から「監督する側」、「執行する側」を模索してきた松﨑氏が実体験をもとに核心に迫ります。

【TOPICS】

  • 執行と監督を分離させた、コニカミノルタの経営
  • 「執行と監督の分離」がもたらすメリットとは
  • そもそも「監督」とは何か
  • 「執行と監督の分離」を効果的に機能させるためのポイント
  • 社外取締役はなぜ必要なのか。経験者の立場からの視点
  • 社外取締役からみた、ステークホルダーのバランス