iPhone 8%減、Mac 29%減、Apple Watchなど8%減

 22年10〜12月期のiPhoneの売上高は、657億7500万ドル(約8兆6700億円)で、前年同期から8.2%減少した。クックCEOは中国でのロックダウン(都市封鎖)について、二重の打撃があったと説明した。1つは台湾・鴻海(ホンハイ)精密工業の中国・鄭州工場(河南省鄭州市)での混乱による供給制約。もう1つは、中国市場の需要減(ロイター通信)。22年10〜12月期におけるアップルの中国(台湾・香港を含む)売上高は、前年同期比7.3%減の239億500万ドル(約3兆1500億円)だった。

 また、パソコン「Mac」の同四半期売上高は同28.7%減の77億3500万ドル(約1兆200億円)、腕時計型端末「Apple Watch」などを含む周辺機器は同8.3%減の134億8200万ドル(約1兆7800億円)だった。

アップル製機器、20億台突破、サービス過去最高を更新

 しかし、明るいニュースもある。タブレット端末「iPad」の売上高が前年同期比29.6%増の93億9600万ドル(約1兆2400億円)となり、Macを上回った。

 また、同社は、アクティブデバイスの数が20億台を突破したことを明らかにした。これはiPhoneやMac、iPad、Apple Watchなどの世界で稼働中のアップル製機器の数だ。22年1月時点の18億台から11%増加した。

 CNBCによると、これは世界におけるアップルの顧客基盤を示すもので、投資家にとって重要な数値だという。これを基にサービスや製品を通じて一層の収益化につなげられる可能性がある。

 22年10〜12月期におけるアップルのサービス売上高は、207億6600万ドル(約2兆7400億円)で、前年同期から6.4%増加。四半期ベースで過去最高を更新した。アプリストアや音楽・ゲーム・動画配信などのサービス事業はアップルの全売上高の約2割を占めており、今やiPhoneに次ぐ事業規模になっている(独スタティスタのインフォグラフィックス)。

 CNBCによると、アップルは20年から新型コロナウイルスの感染拡大を理由に業績予想(ガイダンス)を出していない。しかし同社のルカ・マエストリCFO(最高財務責任者)は23年1〜3月期についていくつかのデータを示した。それによると、全体の売上高は引き続き減少基調だという。MacとiPadはそれぞれ2桁の減収を見込む。iPhoneも引き続き減収となるが、落ち込みは22年10〜12月に比べ小幅にとどまる見通しだ。その一方でサービス部門は増収が見込めるとしている。