アップルは4四半期ぶりに首位に浮上し、シェアは過去最高の25%に達した。iPhoneの製造を請け負う台湾・鴻海(ホンハイ)精密工業の中国・鄭州工場(河南省鄭州市)で従業員の脱出騒動や抗議行動があったものの、アップルは難局をうまく乗り切ったという。

 サムスンのシェアは20%で、2位に後退したものの、通年では首位を維持した。ただし、通年におけるサムスンとアップルのシェアの差はわずか3ポイントにとどまる。

 小米は3位を維持したものの、シェアは前年同期の13%から11%に低下した。小米はインド市場で苦戦した。OPPOとvivoのシェアはそれぞれ10%と8%だった。

スマホ市場、23年は横ばいか、わずかな成長

 カナリスによれば、スマホメーカーは23年も苦戦する見通し。23年の世界スマホ市場は横ばいか、わずかな成長にとどまると同社はみている。カナリスのアナリスト、シュエン・チウ氏は、「インフレ圧力は徐々に緩和されるが、利上げや景気減速、ますます低迷する労働市場といった要因により、市場成長の可能性は制限される」と指摘する。

 これは、西欧や北米など中・高価格帯端末がよく売れる市場に悪影響を及ぼす。 中国の経済活動再開により、同国内の消費者と景況感は改善されるものの、政府の景気刺激策が効果を発揮するのは6~9カ月後であり、中国の需要見通しは短期的に厳しい状況が続くという。

 ただ、一部の地域は23年後半に成長する可能性がある。特に東南アジアでは、景気回復と中国人観光客の復活が、地場経済を活性化するという。

 (参考・関連記事)「世界スマホ出荷、アップルのみプラス成長 7~9月期 | JDIR