成長鈍化でコスト削減、最大規模のリストラ
アマゾンは売上高の伸び鈍化に直面しており、経済の先行き不透明感が強まるなか、新たな収益源を探していると米CNBCは報じている。
アマゾンは、新型コロナウイルスの世界的大流行(パンデミック)に伴うECとクラウドサービスの需要増で事業を急拡大してきた。従業員数を2年間で2倍に増やし、発送センターや仕分けセンター、宅配ステーションなどの物流ネットワークも2年でほぼ2倍に拡大した。
だがその後、巣ごもり需要が一服し成長は鈍化した。同社の22年1~3月期決算は、売上高が前年同期比同7%増の1164億4400万ドル(約15兆3100億円)。1~3月期として過去最高を更新したものの、伸び率は過去10年間で最も低い水準となった。純損益は38億4400万ドル(約5100億円)の赤字で、15年1~3月期以来7年ぶりの最終赤字に転落した。続く22年4~6月期も20億2800万ドル(約2700億円)の赤字で、2四半期連続で最終赤字となった。
22年7~9月期は純利益が28億7200万ドル(約3800億円)となり、3四半期ぶりに黒字化したものの、22年に入ってから9月末までの赤字額は30億ドル(約3900億円)に上る。
こうした中、同社はコスト削減を進めている。アンディ・ジャシーCEO(最高経営責任者)は23年1月4日、事業計画の見直しに伴う人員削減の規模が1万8000人超になると明らかにした。米ウォール・ストリート・ジャーナルは、過去1年間に明らかになったテクノロジー大手のリストラとして最大規模だと報じた。
外部小売業者向け事業、全売上高の22%に
アマゾンはサードパーティーと呼ばれる外部小売業者が出品する「マーケットプレイス」事業を急拡大してきた。今やその流通取引総額(GMV)は同社ECサイト全体の半分以上を占めており、中核事業となっている。
アマゾンが22年7~9月期に外部小売業者から得た、FBAサービス料金や販売手数料などの合計は前年同期比18%増の286億6600万ドル(約3兆7700億円)で、同期間売上高全体の22.5%を占めた(アマゾンの決算資料)。