4四半期連続の減益、採用抑制へ

 22年7~9月期の純利益は43億9500万ドル(約6400億円)で、前年同期から52%減少。4四半期連続の減益となった。米ウォール・ストリート・ジャーナルによると、これはメタがこの10年で経験したことのないものだという。

 メタの事業を巡っては投資家の間から人員を削減し、同社が「次のコンピューター基盤」として注力するメタバース(仮想現実空間)への投資を縮小するなど、経営改善を求める声が強まっている。

 メタの22年9月末時点の従業員数は8万7314人で、1年前から28%増加した。増加率は3カ月前の32%から低下している。米メディアは先ごろ、マーク・ザッカーバーグCEO(最高経営責任者)が従業員に対して採用凍結を告げたと報じていた。

 米CNBCによると、メタは今回の決算電話会見で、「一部のチームは人員を一定に保ち、他のチームは縮小し、優先度が高い分野のみ増員する」と説明した。これにより、23年末の従業員数は現在の水準とほぼ同じになると見込んでいる。

メタバースは赤字拡大

 メタバース関連事業「リアリティー・ラボ部門」の22年7~9月期の売上高は同49%減の2億8500万ドル(約415億円)だった。ウェイナーCFOによれば、仮想現実端末の売上げ減少がその要因。同部門の営業赤字は36億7200万ドル(約5300億円)となり、前年同期の26億3100万ドル(約3800億円)から拡大した。同社は23年に同部門の赤字額が大幅に拡大すると予想している。

 これに先立ち、ウォール・ストリート・ジャーナルはメタの社内文書を基に同社がメタバース事業で苦戦していると報じていた。メタは消費者向けメタバースの主力製品である「Horizon Worlds(ホライズン・ワールド)」について当初、月間利用者数を22年末までに50万人にする目標を掲げていた。だが最近、これを28万人へと下方修正した。月間利用者数はいまだ20万人に満たない状況。利用者数は22年春以降減少し続けているという。

 今回の決算でメタにとって1つの明るい材料は、SNS(交流サイト)の利用者数が増えたことだとウォール・ストリート・ジャーナルは伝えている。Facebookの22年9月末時点の月間利用者数は29億6000万人で、1年前から2%増えた。写真共有アプリ「Instagram(インスタグラム)」などを含むグループ全体の月間利用者数は同4%増の37億1000万人になった。